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未来を読み解くための「ヒトー文化共進化」モデル

「ヒトー文化の共進化」のモデルを、未来を読み解くために利用しようというお話し。


●「ヒトと文化」の共進化モデル



ヒトと文化、集団規模とコミュニケーション能力は相互に影響し合い、その複合的な共進化のサイクルがヒトを世界中に拡散し、さまざまな文明を誕生させた。



ヒトが集団で獲得し継承するものを総称して「文化」と呼ぶ。

文化の対象: 道具、技術、知識、ノウハウ、社会習慣・規範、宗教、芸術


詳細はこちら。


・「ヒト」は内外の環境に適応するために、新たな「文化」を創造する

「文化」が進化すると、それに依存する「ヒト」も進化する

生存競争に優位な「文化」を持つ「集団」は、ヒトが集まりそれを維持できることから「集団規模」を拡大する

「集団の規模」が大きく、「コミュニケーション能力」が高いほど確率的に高度な「文化」をうみ、それを伝搬して維持できる

「集団の規模」が大きく高度な「文化」を持つ集団は、より高度な「コミュニケーション」能力を獲得する


モデル化すると以下のように記述できる。


     「ヒトー文化の共進化」モデル



「集団規模」を拡大する「文化」の創造、

「コミュニケーション能力」を高める「文化」の創造が、「ヒトー文化の共進化」サイクルを加速してヒトの生活を激変させる



●文化遺伝子(ミーム)による共進化


そして、ヒトは遺伝子によらない、後天的な進化の手段を獲得した



文化に能力や脳力をアウトソースして文化遺伝子(ミーム[2])として継承することで、10年、100年単位での急速な進化を可能とした

ヒトは「文化」へと能力や脳力をアウトソースすることにより、当該「文化」に依存することとなり、


「文化」にアウトソースした能力や脳力を失う(減じる)
とともに
「ヒトと文化の協調」により、新たな能力や脳力を獲得する



この表裏一体の能力・脳力の変化を念頭において、何を失い、何を獲得し、それによって今後何が変化するのかを明らかにしながら、未来を読み進めることが肝心だ。



●サンプル:ヒトと「言葉」との共進化


「ヒトー文化の共進化」モデルを使って、ヒトと「言葉」との共進化について、過去、現在、未来を読み解いてみる。

〇「声の言葉」と「書く言葉」への転換

ヒトと文化の共進化においてヒトの思考に大きく影響を与えたのは「言葉」であり、「声の言葉」から「書く言葉」への転換だ。

表音文字であるアルファベットが登場した直後から、哲学や数学に代表される論理的な思考法が誕生する。


「声の言葉」と「書く言葉」の転換期に論理的な思考法を手に入れたが、同時に多くの能力を失った。

「書く言葉」によって失ったもの
・暗唱的な「記憶」能力
美意識による「直感」
論理的に記述しがたいアーティストとしてのバランス感覚


さらに「活版印刷」により文字を読む習慣が大衆のものとなり、多くのヒトが近代的な思考法を手に入れた。

近代的な思考法:
・中立で均質、客観的で論理的な視点
・分断、分化、専門化、断片化
・単一化、均質化、画一化を促し



〇未来の思考法と支援サービス


WebやSNSという新しいメディアの創造によってヒトは長い文字を読むことが困難となり、ヒトの思考法が未来に向かって大きく転換しつつある。


その先にある未来を読み解き、新しい思考法=非線形思考をささえる「文化」の創造が思考の変化を加速する。



「ヒトー文化の共進化」モデルは、過去から現在への共進化の流れから、現在おきている変化に気づき、そこから生まれる未来を読み解く際に活躍する。「小さな流れ」と「大きな流れ」を読み解き、統合して、未来を見定めることを意識するようにしたい。


参考書籍:
[1] ジョセフ・ヘンリック(2019), "文化がヒトを進化させた :人類の繁栄と<文化-遺伝子革命>", 今西康子, 白揚社
[2] リチャード・ドーキンス(2006), "利己的な遺伝子", 日高敏隆, 岸由二, 羽田節子, 垂水雄二訳, 紀伊国屋書店
- Richard Dawkins(1976/1989), "THE SELFISH GENE(30th anniversaty edition", Oxford University Press
[3] M.マクルーハン(1986), "グーテンベルクの銀河系 :哲学人間の形成", 森常治訳, みすず書房
- Marshall McLuhan(1962), "The Gutenberg Galaxy: The Making of Typographic Man", University of Toronto Press


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tag : フューチャーリテラシ, 複雑系, ミクロ・マクロ・ネットワーク, 発想法, 未来予測

未来を読み解く、おすすめの10冊

「フューチャー・リテラシー」では多くの参考書籍をもとに執筆してきたが、初学者のためにこれは読んでおいて欲しいという統合的な視点で書かれた書籍を紹介する。

 おすすめ 10冊: ①~⑩
 副読本  16冊: 1)~16)

近年は、多くの文字を読むことが苦痛な傾向にあるというのに、未来を読み解くためになぜ本を読む必要があるのだろう。

レオナルドダヴィンチになれとは言わないが、未来を読み解くためには統合学としての視点・視野が必要になる
なにより良書に出会うことができればヒトの考え方や言葉を借りることができ、思考や表現にかかる時間を大幅に短縮できる

未来のために書籍を読む必要:
1)基礎知識

 ヒトの未来のベースとなる基礎知識として、
 未来は、ヒトの脳、身体、社会形成(人文科学、歴史、経済、組織)の過去から現在の延長にある。
2)メタファー
 世界は、アーキタイプ(原型)・プロトタイプ(類型)・ステレオタイプ(典型)に満ちあふれている。発明や創造にメタファーが有効なのは、原初から繰り返される構造があるから。
3)探索・散策・探求
 ある程度、基本的な書籍を押さえておくと、しだいに自分の求めるものがわかってくる。そうなればしめたもので、内なる欲求に従って広く探査・散策・探究を進めればいい。

ゼロから探すのは大変だ。推薦書籍をきっかけとして、幅広い視点と統合的な視点を得て、未来を読み解いただければと思う。

1.総合

⓵「知の編集工学」、松岡正剛

(松岡正剛(2001), "知の編集工学", 朝日文庫)

「フューチャー・リテラシー」必読書、本書全般にわたる参考書

・編集とは「該当する対象の情報をよみとき、それを新たな意匠で再生するもの」
・対象は、映画や書籍やニュースだけではない、企画書、営業報告書、イベント、都市計画、政策、料理、プログラミング、ラグビー、子育てなど、ヒトがかかわる知的創造全般にかかわる行為を「知の編集工学」として語る。
・我々が情報の未来を読み解く際に、分節、関係、再編集をどのように扱っていくのかと思索するときのヒントが満載されている。

副読本:
1)「複雑系を超えて :システムを永久進化させる9つの法則
」、ケヴィン・ケリー(1999)

ケヴィン・ケリーの原点。複雑系の入門書。


2)Webページ:松岡正剛の千夜千冊 

未来を読み解こうと検索していると、結局ここにもどってくる
本を探す際におおいに活用
テーマ毎に書籍化されている

3)「ネットワーク組織論」、今井賢一, 金子郁容(1988)

「ミクロ・マクロ・ネットワーク」モデルの原点
古い本だが、複雑系をふまえた未来につながる組織論の基礎がここにある「ティール組織」を読むよりまず本書


2.歴史総合

②「ビッグヒストリー」、デヴィッド・クリスチャン

(デヴィッド・クリスチャン, シンシア・ストークス, ブラウン、クレイグ・ベンジャミン(2016), "ビッグヒストリー --われわれはどこから来て、どこへ行くのか--", 長沼毅日本語版監修, 石井克弥,竹田純子, 中川泉訳, 明石書店)

「フューチャー・リテラシー」必携参考書!

・宇宙創生から2010年、そして未来まで。百科事典サイズで、全400ページにわたる壮大な歴史書
・各章の最初はいくつかの問いから始まる
 - 都市とは何か?国家とは何か?農耕文明とは何か?
 - 都市が生まれるためには、どのような技術の進歩が必要だったのか?
点通り一辺倒の教科書的なものではなく、統合的な視点で最新の情報をもとにした著者たちの考察がふんだんに盛り込まれている。
例えば、
「農耕民が誕生したのは、狩猟採集民が豊かな狩猟採集生活という『定住化の罠』にとらわれたから。」

副読本:
1)「情報の歴史21 :象形文字から仮想現実まで」、松岡正剛監修、編集工学研究所&イシス編集学校(2021)

「フューチャー・リテラシー」必携書、一家に一冊!

7000万年前から2020年までの人類史、世界史、宗教、政治、経済、科学、芸術などを網羅してトピックを縦横に整理した統合年表
歴史をひもとくときに、同時に何がおきているのかを世界の東西にわたり確認するために必須


3.生命

③「地球と生命の誕生と進化」、丸山茂樹

(丸山茂樹(2020),"最新 地球と生命の誕生と進化:[全地球史アトラス]ガイドブック", 清水書院)

生命、進化、地質学、宇宙をクロスオーバーさせて、生命の謎を解き明かす!

 統合的視点で生命誕生、大量絶滅、進化の歴史を読み解く

地球誕生~地球消滅までのCG映像

副読本:
2)「生命、エネルギー、進化」、ニック・レーン(2016) 

生命エネルギー生成の仕組みから、生命誕生の場所と方法を読み解く



3)「星屑から生まれた世界 進化と元素をめぐる生命38億年史」、ベンジャミン・マクファーランド(2017)

生命誕生も、生命進化も化学的な限られた選択肢の中から発生する
周期表をもとに、なぜその元素が利用されるのかを解説


4.脳

④「進化の以外な順序」、アントニオ・ダマシオ

(アントニオ・ダマシオ(2019), "進化の意外な順序", 高橋洋訳, 白揚社)

ヒトの「感情」「思考」の仕組みを読み解く

ソマティック・マーカー仮説の神経学者
感情の役割、イメージ形成から言語化・理解、原始生命から神経形成についての独自の見解が面白く、ネットワーク社会におけるヒトの脳のアウトソースについて考える際に参考になる

 
副読本:
4)「脳の誕生 :発生・発達・進化の謎を解く」、大隈典子(2017)

脳の発生、進化、誕生を分かり易く解説

5)「ぜんぶわかる 脳の事典」、坂井建夫, 久光正監修(2011)

脳内の名称がわからなくなったらこれ。脳の仕組みが分かり易く解説されている


5.人文社会科学

⑤「銃・病原菌・鉄」、ジャレド・ダイアモンド

(ジャレド・ダイアモンド(2000), "銃・病原菌・鉄",倉骨彰訳 , 草思社)
世界中の人類史観を変えた必読書。統合視点の入門書。

・地理、食料、家畜と病原菌、文字、部族から国家の形成、なぜ中国ではなくヨーロッパが主導権を握ったかなど、総合的な視点から人類史を分析
・原初生活を残す原住民の観察をふまえ、
・ヨーロッパ人が優位となったのは、ユーラシア大陸が生産性の高い穀物と家畜に恵まれて人口が増加し、地理的に東西に広がるため多種の文化の相互作用により洗練し、激しい競争(=戦争)が繰り返されたから
・コミュニケーションする集団が大きいというのはそれだけで有利
・そして、古くから家畜とすごしていたため病原菌に耐性があり、特にアメリカ侵略において病原菌を武器として勝利した


副読本:
6)「世界史のなかの産業革命 :資源・人的資本・グローバル経済」、R.C.アレン(2017)

蒸気機関が発明されたから産業革命が起きた?そんなわけがない
資本主義、技術の発展が産業革命を契機とするならば、それがなぜこのタイミングでイギリスで起きたのかを広い視野で知る必要がある


⑥「文化がヒトを進化させた」、ジョセフ・ヘンリック

(ジョセフ・ヘンリック(2019), "文化がヒトを進化させた :人類の繁栄と<文化-遺伝子革命>", 今西康子, 白揚社)

ヒトと文化、集団とコミュニケーションの絡み合う共進化が、過去・現代・未来の歴史をつくる

マクルーハンのメディア論、ドーキンスの利己的な遺伝子におけるミーム(文化遺伝子)を包括
文化の対象:道具、技術、知識、ノウハウ、社会習慣・規範、宗教、芸術
ヒトが文化を形成・維持するためには、「集団の規模」「結びつきの強さ=集団のコミュニケーション能力」が必要条件となる


副読本:
7)「グーテンベルクの銀河系
 :哲学人間の形成」、M.マクルーハン(1986)

未来を考えるための必読書
「文化がヒトを進化させた」に続いて読んで欲しい
ヒトとメディアは共進化する、
活字人間、視聴覚人間、新しいメディアがヒトの思考を変え、新しいメディアが古いメディアを衰退させる、ヒトの書籍離れを予言


8)「声の文化と文字の文化」、ウォルター・J・オング(1991)

マクルーハンを読んだら、これ!。そして、「ネットバカ」、ニコラス・G・カーへと続く
ヒトの思考の変化を追って未来を考えるためには、「文化がヒト~」、「グーテンベルク~」、「声の~」は読んでおく必要がある

可能ならば「身振りと言葉」、アンドレ・ルロワ=グーラン(1973)まで読み進めて欲しい


6.経済

⑦「やさしい経済学 :しくみがわかる」、池上彰

(池上彰(2013), "やさしい経済学1 :しくみがわかる", 日本経済新聞出版社)
(池上彰(2013), "やさしい経済学2 :ニュースがわかる", 日本経済新聞出版社)

丁寧に優しく正しく経済の歴史を読み解ける

経済学の初心者が教科書を読んでも何も得られない。かといって「富国論」や「資本論」をいきなり読んでも、何のことやらと思ったらこれ
1と2があるが両方読んでもたいした時間はかからない
アダム・スミス、マルクス、ケインズ、フリードマンを中心に経済学の歴史から学び、世界恐慌やバブルなど現代に続く歴史を概観する


副読本:
9)高校生からわかる「資本論」、池上彰(2017)

「やさしい経済学」をよんだら本書も目を通しておこう

10)「要約 ケインズ 雇用と利子とお金の一般理論」、山形浩生(2011)

巻末の経済史の読み解きが軽快で面白い
もちろん、読みにくい「一般理論」の概要も把握できる

11)「世界経済 大いなる収斂 :ITがもたらす新次元のグローバリゼーション」、リチャード・ボールドウィン(2018)

未来の社会を考えるときに、グローバル経済のおかれている状況について知っておきたい


7.アイデア・プロセッシング

⑧「発想法」、川喜多二郎

(川喜多二郎(1976), "発想法 改版 -- 創造性開発のために --", 中央公論新社)

野外科学のためのアイデアの整理法、KJ法はここから生まれた

KJ法で知られる川喜多二郎、僕らの知っているKJ法はほんのサブセットだ
筆者自身の野外観察の体験から、ありのままの自然を観察して得た情報を集め、整理・分類・保存、要約化、統合化、物語化について丁寧に解説

副読本:
12)「知的生産の技術」、梅棹忠夫(1969)

脳のアウトソースに関するカード整理の記述がいい
知的生産にからめた作者の考えの雑記、いろいろと示唆にとんでいる
手帳、カード、切り抜き、整理、読書、原稿、文章など多岐にわたる
自分なりの思考スタイルを獲得するために読んでおくといい


13)「思考の整理学」、外山滋比古(1986)

「知のエディターシップ」を軸とする、アイデア整理の基本3冊目
エッセイ本のような軽快な流れの中で、思考の整理について示唆に富む
「情報の"メタ"化」など現代・未来についてのヒントももらえる


8.読書法

⑨「本を読む本」、M.J.アドラー, C.V.ドーレン

(M.J.アドラー, C.V.ドーレン(1997), "本を読む本", 外山滋比古, 槇未知子訳, 講談社)

本読みの指南書

「読み方学習の諸段階、組織的な拾いよみ、読書の速度、目のうごき」に始まり、点検読書、分析読書、同一主題について二冊以上読む読書(これが実は難題)
世にある膨大な本を前にして、いかににし探し、効率的に深く読むか
読書に慣れ親しんでいる人をも唸らせる良書


副読本:

14)「探求型読書」、編集工学研究(2020)

本読みをプロセスとして整理
読前、読中、読後に分けることにより、効率よく内容を把握して読みすすめられる
少し訓練が必要だ


9.計画されている未来

⑩「未来創造の白地図」、川口信明

(川口信明(2020), "2060 未来創造の白地図 :人類史上最高にエキサイティングな冒険が始まる", 技術評論社)

計画されている未来本はこれ一冊でいい

実際の企業やスタートアップの事例がふんだんに盛り込まれている


副読本:

15)「インターネットの次にくるもの」、ケヴィン・ケリー(2016)

「フューチャー・リテラシー」につながる未来読解者にして、『Wired』誌の創刊編集長ケヴィン・ケリー
未来を12の視点で整理する、未来整理の手本
(BECOMING、COGNIFYING、FLOWING、SCREENING、ACCESSING、SHARING、FILTERING、REMIXING、INTERACTING、TRACKING、QUESTIONING、BEGINING) 

続けて、テクノロジーを複雑系ネットワークとしてとらえる「テクニウム」も読んでおきたい。


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【閑話】アイデア・プロセッシングのためのツール

 筆者が使っているツールを中心に、アイデア・プロセッシングのためのツールを紹介します。

 アイデア発想本などの多くは、今でも「紙のカード」や「紙の手帳」を利用する方法を推奨しています。紙に手で書くメリットも捨てがたいのですが、自分の書いたノートでも大量に情報を蓄積すれば他人のものとなり、どう工夫してみても「紙のメディア」では探し出すのに限界がある。そこで、「全文検索」ができるノートツールを中心にツールを組み立てることになります

アイデアツール
   アイデア・プロセッシング環境


●「ノート」ツール


 まずは、アイデア・プロセッシングの中心となる「ノート」ツール。

 マイクロソフトのOneNoteか、アウトライン・プロセッサを使ってみて選ぶといいでしょう。OneNoteが使いやすくお薦めで、アウトライン・プロセッサならばDynalistあたりがWindows、Apple、iPhone、Webと連携できて使いやすい
 「全文検索」できることは当然として、配下の階層ごとドラックで気軽に移動できるのがいい。表示をタブで切り替えたり、マルチウィンドウで表示したり、リビングではiPadで修正することもできます。

 筆者は、Linux系のpukiWikiベースの「growi」というツールをdocker-composeの上で使っている。ちょっとマニアックなの構成なのでLinux大丈夫という方しかお勧めはしません。wikiを個人で使いたい方ならばgrowiがいいでしょう。仮想マシンを使ってwindows上でも立ち上げることができます。

 growiのサンプル画面

■growiの気に入ってるところ:
 ◎ドキュメントをタグとして使える
  - 階層表現用のタグがなくドキュメントの下に何層にも階層をつくれるのが重宝しています
 ◎lsxプラグインを使うと階層一覧を何列も表示できる
  - OneNoteやアウトライン・ツールだと1列の表示だけ
 ・全文検索が高速で、データ量を気にせずに使える
  - ビジネス用の検索エンジンelasticsearchを使っている
 ・ページ内の階層表現をテキスト形式(Markdown)で記述できる
 ・Webで編集できる
 ・階層の一括移動もとりあえずできる(後述)

■growiの使いにくいところ:
 ・階層をドラッグで移動できない
 ・バックアップ方法がちょっと面倒

階層一覧
 
               「growi」で階層を表形式で表示


●「メモ」ツール


 筆者がメモするのは、「寝ている時」や「目覚めた時」や「散歩中」が多いので、スマホ(筆者はiPhone)で片手で操作できるのが必須です。

 最近まで、「音声認識+ノート」でメモしていたのですが、あとからコピペしてパソコンと共有する必要があるので最近は「ショートカット」で登録して、音声認識で直接OneNoteに送っています。

音声認識⇒アプリ(OneNote)ショートカットの設定方法(iPhone):
 ・「ショートカット」を起動
 ・「新規ショートカット」で「アクションを追加」
 ・「音声」で検索して、「テキストを音声入力」
   - 「表示を増やす」⇒「聞き取り停止」は「タップ時」を選択。
 ・「+」で「共有」⇒「機能拡張で共有」を選び。
 ・「...」ボタンを押して、「ホーム画面に追加」でホームにショートカットアイコンを置く。


●紙か電子書籍か


 本を購入するときに「紙の書籍」か「電子書籍」は一長一短あって悩むところ、時には両方購入する場合もあります。

■「紙の書籍」のメリット:
 ・書き込みができる

■「電子書籍」のメリット(Kindle):
 ・検索ができる
 ・コピペができる(回数制限あり)
 ・電子辞書で簡単に「意味」や「読み」を確認できる
 

●OCRツール


 「紙の書籍」からの切り貼りは、次のいずれかの手段を使っていて、「紙の書籍」からの誤入力率はいずれの方法でも大差はない。近年のOCRツールや音声認識の精度の高さには驚かされます。

■本からの切り貼り手段:
 ・手入力
 ・スマホのOCRツール
  - カメラで写真をとるように入力できる
  - 認識率が非常に高いTextScan(100円/月)を利用、写真をとるような操作が快適
 ・音声メモ
 ・Kindleからコピペ(回数制限あり)


●画像共有


 iPhoneで撮影した画像を共有するのはGoogleドライブでも、Dropboxでもなんでもいいのですが、筆者はGoogleドライブを経由するか、OneNoteに直接貼りつけています。


 以上です。便利なツールが次々と発表されるので、随時ためしてみるといいでしょう。



tag : フューチャーリテラシ, 未来, 複雑系, ミクロ・マクロ・ネットワーク, 発想法, ツール

アイデア・プロセッシング実施方法(5):シナリオ・物語編集

-------------------------------------
アイデア・プロセッシング:
--------------------------------------
Step2: 情報散策
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アイデア・プロセッシング用語解説:
・情報素材: 段落などのを単位とする文章で文節、区分けしたテキスト。1枚の画像。1枚の絵。
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 これまで集めた「情報素材」を文章化することにより、直感に従って集め、関係性に注目してグループ化したアイデアの素材から、関係の意味や性質を論理的にとらえなおし、矛盾や誤りを見直すことができる。さらに、自身が着目することの理解が深まり、「情報素材」の捉え方を変え、そして文章化に苦労した部分にこそ新しい発想のチャンスがある。


●4-1)「情報素材」を文章にする

・アウトプット: 文章化した情報素材

・インプット: グループ編集した情報素材

 図、絵、テキストを用いて小規模な文と文脈を具体化するフェーズ。シナリオ、物語として記述することにより、アイデアを整理し、アウトプット可能な「情報素材」を生成する。

〇なぜ文章化するのか


 Step3までは、発想を広げるこをと優先してきた。Step4では、「言葉として記述」することにより論理的な矛盾を排除する。

○どこから文章化するのか


 文章化のきっかけは、アイデアやコンセプトの提案、業務提案や論文化、書籍化、もしくはblogへの執筆などの具体的なアウトプットを求めるときだろう。文章化に着手する初端は、それぞれの経験上気になっている具体化の「肝」となる部分、そこを明らかにしておかなければ先に進めないという手がかりから先にとりかかるといい。

○短い文章にまとめる


 Step3でグループ編集した「情報素材」をみなおし、100~200文字程度の文章にまとめる。前後の段落と連携し「起承転結」を意識して文章化する、図や絵を用いる、表を追加するなど工夫するのもいいだろう。

○続いて、文章化に着手するのはどこか


 ある部分について文章化した後、新たな手がかりをもとめるより先に文章化した段落と関係の深い周囲の「情報素材」からとりかかると、次のステップに進むための足がかりができる。


●4-2)アイデア編集

・インプット:文書化した情報素材
・アウトプット: アイデアのクレーム(短文)、ネーム(呼称)


 「情報素材」をもとに、アイデアを形成するフェーズ。背景、テーマ、材料・素材を書き出し、着想を「ミクロ・マクロ・ネットワーク」で整理して、クレーム(短文)とネーム(呼称)を生成する。

○課題設定

 与えられている課題、Step1で設定した課題をもとに1文で記述

○背景

 課題の置かれている周囲の環境、なぜその課題が設定されたのか、競合相手など

○材料・素材

 利用できる技術・サービス、想定している動作条件、環境条件、プラットフォームなど

○着想

 「課題」「背景」「材料・素材」を並べてみて思いつくアイデアの出発点、手がかり、実現したいイメージなど

○「ミクロ・マクロ・ネットワーク」で考えてみる

 「着想」を具体化するため「ミクロ・マクロ・ネットワーク」モデルで記述してみる。曖昧な部分、欠落箇所は今後の課題であり、とりあえずそのままにしておく。

「ミクロ・マクロ・ネットワーク」の構成要素と特性:
 ・構成要素: ミクロ、コミュニケーション、ネットワーク、マクロ、メタ・ネットワーク、環境、技術・社会背景
 ・特性: 多元性・多重所属、フィードバック・ループ、適応・動的特性、自省作用・創造作用、可塑性・学習、恒常性・保守性、変異要素

○言葉で表現する

 やりたいことをクレーム(短文)とネーム(呼称)で表現する。


●4-3)コンセプト編集

・アウトプット: コンセプトの説明文
 4-2)アイデア編集の「クレーム(短文」と「ネーム(呼称)」を起点に、コンセプトを具体化するフェーズ。6W1Hで表現して曖昧な言葉を具体化し、「ミクロ・マクロ・ネットワーク」で表現してコンセプトを簡単な文章としてまとめる。

○6W1Hで表現する

 コンセプトを6W1Hで表現し、具体化する。

・いつWhen:
・どこでWhere:
・誰がWho:
・誰にWhom:
・何を(する)What:
・なぜWhy:
・どのようにHow:

○曖昧な言葉、キーワードを明確にする

 6W1Hで使用した曖昧な言葉、キーワードのうち曖昧なものを文章で解説する。
  

○派生アイデアメモ

 派生的に思いついた、新しいアイデア、コンセプトのメモを記録しておく。

○コンセプトの具体化

 曖昧なキーワードを、具体的なアルゴリズムや定量表現で定義する。

○「ミクロ・マクロ・ネットワーク」で具体化する

 コンセプトを「ミクロ・マクロ・ネットワーク」モデルで具体化し、チェックする。曖昧な部分、欠落箇所は極力のこさず、必要ならば課題として明記する。

「ミクロ・マクロ・ネットワーク」の構成要素と特性:
 ・構成要素: ミクロ、コミュニケーション、ネットワーク、マクロ、メタ・ネットワーク、環境、技術・社会背景
 ・特性: 多元性・多重所属、フィードバック・ループ、適応・動的特性、自省作用・創造作用、可塑性・学習、恒常性・保守性、変異要素

○コンセプトを簡単な文章で表現する。

 技術やビジネスの具体化につなげられるよう、コンセプトを簡潔な文章で表現する。

 本書がターゲットとするのはアイデアを創出し、コンセプトとして具体化する「コンセプト編集」までだ。たしかに、新しいコンセプトを生み出すことは、全行程のほんの数パーセントにすぎない。技術の具体化、商品化、商品販売のために、周囲を巻き込み、予算と人員を確保してプロジェクトを推進するという大きな海原がこれから先に控えている。それでも、霧の中で航海するには舵取りもままならない、数十年先の未来に羅針盤を向けとて現在のコンセプトを見定めることが肝要なのだ。

 この後、アイデア・プロセッシングの具体例として、1990年代から現代までと、現代から30年後の未来を読み解くサンプルを例示していく。




参考書籍:
[1] 川喜多二郎, "発想法 -- 創造性開発のために --", 中央公論新社, 1976(改)
[2] 梅棹忠夫(1969), "知的生産の技術", 岩波書店
[3] 外山滋比古(1986), "思考の整理学", 筑摩書房
[4] 松岡正剛(2001), "知の編集工学", 朝日文庫

tag : フューチャーリテラシ, 複雑系, メディア, 未来, ミクロ・マクロ・ネットワーク, 発想法

アイデア・プロセッシング実施方法(4):グループ編集、離合集散、分類と階層化

-------------------------------------
アイデア・プロセッシング:
--------------------------------------
Step2: 情報散策
--------------------------------------
アイデア・プロセッシング用語解説:
・ノート: ノートツール
・ページ: ノートツール上のページ、分類の単位
・階層構造: アウトライン構造、分類を階層的に表示
・情報素材: 段落などのを単位とする文章で文節、区分けしたテキスト。1枚の画像。1枚の絵。
・1行見出し: グループ、情報素材、分類を1文で表現したタイトル。
 ※「内容」の意味のエッセンスをとらえて圧縮し、できるだけ柔らかい言葉で表現する、過度に抽象化しないこと。
・内容: 「1行見出し」に配置した「情報素材」群
--------------------------------------


 情報があふれる近代において、無から突然新しい発想を創造するということはほとんどなく、すでに存在する「情報素材」を結びつけることによって新しい発想が生まれる。つまり、「アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない」ということだ[1]。
 ここでは、アイデアを発想するための下準備として、収集した「情報素材」を編集するための方法について示す。直感思考と論理思考を行き来しながら進めることが肝要だ。

Step3: グループ編集:離合集散、分類と階層化

・インプット: 情報素材
・アウトプット: 分類・階層化した情報素材
 ページ・情報素材を編集して分類・階層化するフェーズ。関係の近いページ・情報素材を集め、グループ化し、「1行見出し」と「概要」をつけて分類、階層化、俯瞰して再編集する。

〇ノートにおける階層表現


 「ノートツール」のページやページ内テキストでの階層構造とは、次のように大中小分類などの階層(アウトライン)で配置することだ。

ページ、ページ内テキストの階層構造の例:

大分類AAA
中分類BBB
小分類CCC
中分類DDD
小分類EEE
大分類FFF
中分類GGG

○二次情報から意味を生み出す、情報をつなぐ、関係づける、離合集散を繰り返す


0)基本方針

・情報をして語らせ、グルーピングを繰り返す
 - 自由にサイクルを行き来しながら繰り返し、情報をして語らせ、情報やグループ間の関係を相互作用させることによりしだいに形づくっていく。必要以上に収束させず、発散的に、ヒトの無意識のフィルタリング能力である「暗黙知」と「美意識」、「類推」と「連想」、アブダクション(仮説推論)を活躍させる。
 - 情報が語ることを聞き、情報自身に編集させ、動的な関係と相互作用を発見的に見出だし、意味を生み出すリズムを繰り返す。
・グルーピングのタイミング
 - スクラップする都度や1週間毎などの定期的な編集タイミングを決めて自分のリズムをつくる。適宜実施していいが、ためすぎると編集が負担になる、情報収集の負担にならない自分のリズムをつくるといい。
・情報素材を移動せずに、リンクやコピーを活用してもいい
 - 必要ならばコンテンツ間でリンクをはってもいいし、いっそのこと同じ文章をコピペてするのもいいだろう。

1)グルーピングと分類・階層化

 「情報素材」の関係を見極め、グループをつくり、分類と階層化を行う。

1-1)小グループをつくり、1行見出しと概説をつける
・関係の近い情報素材(ページ、情報素材)を集め、その集団に関係の意味を要約して仮の「1行見出し」をつける。この「関係の近い」とは「属性の分類」だけでなく「類似」や「類推」なども含まれる多面的な関係としてとらえる
・むりやりどこかのグループに入れようとせず、はみだしたものは中大グループに入れればよい。

2-2)中グループをつくり、1行見出しと概説をつける
・関係の近い小グループを集めて中グループをつくり、1行見出しと概説をつけ、階層構造(アウトライン)とする。
・むりやりどこかのグループに入れようとせず、はみだしたものは大グループに入れればよい。

1-3)大グループをつくり、1行見出しと概説をつける
・関係の近い中グループを集めて大グループをつくり、1行見出しと概説をつけ、階層構造(アウトライン)とする。
・ツールが許すなら、必要に応じてさらに階層を深くしてもいい。

1-4)整理
・大中小、上下、親子、部分集合などでグループ化し、階層構造で関係づけ再整理する。
・複数のグループに所属する情報素材や小グループがある場合には、リンクやコピーにより多重所属させる。
・このグループがどのようなメッセージを発しているかを見極め、特徴やアイデアなどの気づきなどを追記する。自分の意見には末尾に(自)などのタグを付ける
・アイデア、参考書籍、用語、未分類、宿題、雑記、その他、バックアップ、ゴミ箱などの分類をつくっておく。最初の書き出しを「参考書籍」や「雑記」とし、編集を加える際には「バックアップ」にコピーを残し、いらなくなったページは「ゴミ箱」に保管しおくなど運用を工夫する。

2)新たに発生した関係に気づき、再編集

 1)で分類・階層化したグループを横断的に、俯瞰的に眺めることにより再編集する。
 ・新たな関係に気づく
 ・新たな発想を思いつく
  ⇒1行見出しだけでもいいので書き出して、1)のグループに編成する。
  ⇒自分の発想、意見には「1行見出し」や「内容」記述の末尾に(自)などのタグをつけて区別する。
  ⇒見いだした「新たな関係」や「新たな発想」が新たな構造を生み出す原動力となる。1)で無理やり収束させようとせず、相互作用を働かせ関係を動的に編集する。

3)定期的なみなおし

・書き込んだ内容を1週間、1か月程度でもう一度見返してみると、すでに他人の意見になっていたり、つまらない内容だったということもある。何を意味しているのか、なぜかを問い直し、内容を修正し、「ゴミ箱」などを含め分類の見直しをする。

4)俯瞰する

 ある程度グルーピング・分類・階層化を繰り返していると、全体や部分の傾向が見えてくる。その発する特徴・特性をとらえ、ページ間の関係、ページ内の情報素材やグループの関係を俯瞰し、類似、類推、連想、新たな課題・仮説設定を試みる。


 脳と外部のノートを連携し、情報を意味的な単位に文節し、親近感のあるものを発見してグルーピングして、構造性を殺さない「1行見出し」を選び、時空間的関係と相互作用から意味ネットワークを動的に構築して読み解き、その意味するところに気づき仮説を生み出す能力を総合的に活用して編集する。

 ここまでの編集プロセスを物語に喩えてみよう。読み解く対象は物語の「世界」を、ページは「各シーン」を、情報素材は「キャラクター」を、情報素材の関係は「キャラクター間のコミュニケーション」を、ページ内、ページの並びは「ストーリー」を、そして貴方が「語り手」となり物語を紡ぎだす。




参考書籍:
[1] ジェームズ・W・ヤング(1988), "アイデアのつくり方", 今井茂雄訳, 阪急コミュニケーションズ
[2] 川喜多二郎, "発想法 -- 創造性開発のために --", 中央公論新社, 1976(改)
[3] 梅棹忠夫(1969), "知的生産の技術", 岩波書店
[4] 外山滋比古(1986), "思考の整理学", 筑摩書房
[5] 松岡正剛(2001), "知の編集工学", 朝日文庫


tag : フューチャーリテラシ, 複雑系, メディア, 未来, ミクロ・マクロ・ネットワーク, 発想法

プロフィール

佐藤基

Author:佐藤基
『フューチャー・リテラシー -- 過去・現在・未来、複雑系の未来を読み解く』
を執筆中。

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