気づきのあるネットワーク・サービス:コンセプトの具体化

 クレーム(短文)とネーム(呼称)をもとに、文章としてコンセプトを具体化していく。

Step2:コンセプト編集


●言葉で表現する:


○アイデアを言葉で表現する


クレーム(短文): 通話している時に周囲いる人に気づくことができるネットワークサービス
ネーム(呼称): AwarenessNet(気づきのあるネットワーク)

○6W1Hで表現する


気づきのあるネットワーク(AwarenessNet)とは何か
いつ(When): (知人を指定して)電話で話している時に ⇒「電話をした後に」に訂正
どこで(Where): 通話空間で
誰が(Who): 私が
誰に(Whom): 知人や興味が同じ人に
何をする(What): 話しをする、気づく
なぜ(Why): 新たな出会いのため
どのように(How): 周囲を見渡し近くにいる人を探して

○曖昧な言葉をより明確にする


いつ(When): (知人を指定して)電話で話している時に
 ⇒電話をしている時に気づいても、かけなおせるわけではないので、「電話をした後に」に訂正

なぜ(Why): 新たな出会いのため
 新たに出会って嬉しいのはどのような人か?
 ⇒自分の電話メモに記載されていない知人
 ⇒興味が同じ人

どのように(How): 周囲を見渡し近くにいる人を探して
 近くにいる人の定義は何か?
 ⇒自分の「知人」との重なりが大きいほど近い
 ⇒自分の「興味」との重なりが大きいほど近い

○派生アイデアメモ:


 この段階で思いつく別のサービスやキーワードがあれば、将来役立つかもしれないのでアイデアメモに残しておく。
・現実世界で道を歩いているときに、近くの知り合いを表示
・通話中に通話相手との関係をもとに、知人や同じ興味の人を表示、同時接続

●コンセプトの具体化:

 興味を学習し、興味をフィードバックするメタネットワーク


〇「高速ネットワーク」上での生活はどう変化するのか

通信速度が1Mビット/秒となった時代は生活空間の一部をネットワーク上に移動する。誰もがネットワークにより生活(通話、購入、閲覧)する時代を想定。
・AwarenessNetの出会いの対象も「通話」だけでなく、「購入」「閲覧」も含めて考える。


○「興味」の定義

 サービスの利用者を基点として、距離が近い「ヒト」「モノ」は「興味」が近い。

○「距離」の定義

 AwarenessNetの肝となる「近さ=距離」をどのように求めるのかを具体化する。

1) 友人候補との距離:

・「通話回数が多い通話相手=友人」は、通話回数順に距離が近い。
・他者と友人と比較し、「同じ友人と通話をしている人=友人候補」のうち友人の重なりの多い順に距離が近い。
※現代ならFacebookの「友達かも?」と同様

2.同じ興味の人との距離:

・自分が購入しいる「商品リスト」の中で、「同じ商品を買っている人=興味が同じ人」のうち商品の重なりが多い順に距離が近い。
・Webページの閲覧でも同様。

3.おすすめ商品との距離:

・2)の『「興味が同じ人」が買っている商品=おすすめ商品」』のうち「興味が同じ人」の重なりが多い順に距離が近い。
※2)の「商品リスト」を単品にすると、現代のamazonの「よく一緒に購入されている商品」と同様

○「ミクロ・マクロ・ネットワーク」モデルでコンセプトを表現する


■構成要素:
 ・ミクロ: 人、商品、Webページ
 ・コミュニケーション: 通話、購入、閲覧
 ・マクロ: 興味ネットワークにより形成される多重集団
  - 通話:友人の集団
  - 購入:同じ興味の集団
  - Webページ:同じ興味の集団
 ・メタ・ネットワーク: 電話、インターネットをベースにしたメタネットワーク=興味のネットワーク
 ・環境: 興味(アクセス履歴)によって形成される新たな社会・経済
 ・技術・社会背景: 通信速度が1Mビット/秒、誰もがネットワークにより生活(通話、購入、閲覧)する時代を想定。

■ネットワークの特性:
 ・多次元性・多重所属: 人は無数に興味属性を持ち、複数の興味ネットワークにつながっている
 ・フィードバック・ループ: 「通話、購入、閲覧」と「おすすめ紹介」のフィードバックループ
 ・適応・動的特性: 
  - 「通話、購入、閲覧」によって変化する「おすすめ紹介」
  - 「おすすめ紹介」によって変化する「興味の集団」
  ⇒動的に変化する交友関係(商品、Webページを含む)
 ・可塑性と学習: 
  興味を学習し、興味をフィードバックする動的な学習ネットワーク
  - アクセス履歴として形成されるネットワーク関係
  - 興味によって形成されるメタネットワーク
 ・恒常性・保守性:
  新しいサービスとして具体化する際に留意すべき項目
  - 通話履歴のサービス利用に対する反発
  - 通話している周囲の情報をフィードバックすることのわずらわしさ
   ⇒新サービスの利用者に新しいメリットをもたらす必要がある



●コンセプトのまとめ:


 アクセス数や購買数で定義した「距離」をもとに、「友人候補」「お勧めの商品(Webページ)」「お勧めの人」を紹介するネットワークサービス。

協調フィルタリングのイメージ
          AwarenessNetのサービスイメージ[2]


気づきのあるネットワーク・サービス:アイデアの整理
気づきのあるネットワーク・サービス:コンセプトの具体化
気づきのあるネットワーク・サービス:ビジネスの具体化

参考文献:
[1] 市川裕介(2000), "~ECサイトのパーソナライズ化とサービスレベルの向上でOne-to-Oneマーケティングを実現~ :純国産のパーソナライズエンジンAwarenessNet", ITmediaエンタープライズ, 2000年12月19日

[2] 高木浩則, 市川裕介, 木原洋一(2003), "書籍ECサイトにおけるレコメンデーションシステム", NTT技術ジャーナル, 2003.11, p30-33
jn200311030.pdf (ntt.co.jp)

tag : フューチャーリテラシ, 複雑系, メディア, 未来, ミクロ・マクロ・ネットワーク, 未来を読み解く, コンピュータ

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佐藤基

Author:佐藤基
『フューチャー・リテラシー -- 過去・現在・未来、複雑系の未来を読み解く』
を執筆中。

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