「ヒラメキ」を誘発する「暗黙知」
「暗黙知」は、「ミクロ・マクロ・ネットワーク」同様に、本書の主題となります。
暗黙知とは
経験的に使っている知識だが簡単に言葉で説明できない知識[1]
「暗黙知」の分類
「暗黙知」は、その活用方法から以下に分類されます。
1)身体知
例えば、顔の識別、自転車の運転
2)経験知(ノウハウ)
例えば、職業的な技術の習得
3)発明を促す知識
日本においては、野中郁次郎の影響もあり暗黙知=経験値ととらえる方も多のですが、本書ではマイケル・ポランニーが主題とする「発明を促す知識」としての「暗黙知」に着目します[2]。
ポランニーは、問題の探究における3つの段階に「暗黙知」が活用されるとします。
1)問題を妥当に認識する
2)問題解決の道筋を見出す
3)発見の正当性を感知する
脳内での「暗黙知」
「暗黙知」が脳内でどのように蓄積され、活用されるかについては、アントニオ・ダマシオの「進化の意外な順序」で詳細化に記述しています[3]。「暗黙知の次元」「進化の意外な順序」ともに読み解くのが難しい書籍ですが、本書を通してこれらの意図することを理解できるようにしたいと思います。
参考文献:
[2] マイケル・ポランニー(2003), "暗黙知の次元", 高橋勇夫, ちくま文芸文庫
Michael Polanyi(1966), "The Tacit Dimension", London, Routledge
[3] アントニオ・ダマシオ(2019), "進化の意外な順序", 高橋洋訳, 白揚社
Antonio Damasio(2018), "The Strange Order of Things: Life, Feeling, and the Making of Cultures", Pantheon